2004年11月19日
介護保険改革で自民基本方針 施設利用者の居住費、食費を17年度に自己負担
介護保険改革で自民基本方針 施設利用者の居住費、食費を17年度に自己負担
自民党社会保障制度調査会の介護委員会(鴨下一郎委員長)は十八日、介護保険制度改革についての基本方針をまとめた。現在保険給付対象となっている介護施設利用者の居住費と食費を「対象外とする」と明記、平成十七年度中に利用者の自己負担に切り替える方向で見直す。一方、焦点の保険料徴収対象と受給対象の年齢引き下げ問題については結論を先送りし、年内をめどに引き続き検討を行うことにした。
基本方針ではこのほか、介護サービスの利用者の症状が悪化することを防ぐため、サービス内容を予防重視型に転換。新たなサービス体系として、小規模サービス拠点や痴呆性高齢者グループホームなどを対象とした「地域密着型サービス」(仮称)を創設する。
また、サービスの質の向上を図るため、事業者規制の見直しや介護従事者の資格要件見直し、ケアマネジャーの資格更新制を導入。六十五歳以上の保険料については低所得者に配慮した負担区分に改め、市町村の事業者に対する指導権限を強化する。さらに、制度改正に加えて、サービスの一層の適正化、効率化を図ることで、十八年度の介護報酬改正では「適切な対応を図る」としている。
最大の焦点である保険料徴収対象と受給対象の年齢引き下げ問題については「現時点では一定の方向性を示すには至っていない」として方向性を打ち出せなかった。政府は十七年の通常国会に関連法案を提出予定で、自民党は与党内調整を踏まえ、年内をめどに具体案のとりまとめを行う予定だ。
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≪対象者拡大 経済同友会も反対≫
経済同友会は十八日、厚生労働省が進める介護保険制度改革に関し、抜本改革を求める提言を発表した。
日本経団連、日本商工会議所は既に意見をまとめており、主要経済三団体の意見が出そろったが、介護保険制度の対象者を拡大する厚労省方針には三団体とも反対で一致した。対象者拡大が企業収益を圧迫することや「現行制度の不備の是正が先」というのが理由で、年内に結論を得たい厚労省は厳しいかじ取りを迫られそうだ。
経済同友会は提言の中で、保険料徴収範囲を現在の四十歳以上から、二十歳以上などの若年者に拡大する厚労省案について「現役世代に負担が偏り、理解を得られない」として、明確な反対姿勢を示した。
厚労省が十五日に公表した試算では、従業員の保険料の半額を担っている企業の負担は、平成二十四年度に現行制度のままと比べて、最大一・四倍にまで膨らむ。負担増は、若年者への拡大が最大要因で、経団連、商議所も「企業収益を圧迫して国際競争力をそぐ」「若年者に受益がほとんどない」などとして反対だ。
また、障害者福祉制度の一部を介護保険制度に組み込み、介護サービスを障害者全体に拡大する厚労省方針についても、三団体は反対の姿勢。経済同友会は「障害者福祉は税金ですべきだ」と主張、二団体も障害者福祉の制度が平成十五年度に抜本改正されたことを受けて「まずは現行制度の合理化」としている。
ただ三団体は、厚労省が目指している介護保険制度の持続可能性の向上に関しては賛成。介護保険財政の改善のため、経済同友会、経団連はそろって介護サービスを受ける際の自己負担を一割から二割に引き上げるよう求めている。
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≪基本方針のポイント≫
・介護予防推進のため地域支援事業を展開、軽度者には新たな予防給付を創設
・介護施設の居住費、食費を保険給付対象外とし、平成17年度中に施行
・小規模サービス拠点など地域密着型サービスの創設
・サービスの質の向上のため、情報開示の徹底や事業者規制の見直し
・市町村の給付チェック機能や事業者への指導権限の強化
・地域の特性や創意工夫を生かした多様なサービス拠点を整備する交付金制度を創設