2004年10月09日

身体・知的・精神障害者支援を一本化 厚労省が新法案

asahi.com
 厚生労働省は8日、05年度からの障害者政策の改革試案をまとめた。身体障害者が知的障害者向けの通所施設を利用できないなど身体・知的・精神で分かれているサービス提供を一本化するのが柱。05年に「障害福祉サービス法」(仮称)をつくり、相互に利用できるようにする。市町村で利用時間などサービスにばらつきがあるため、客観的な基準を設けて格差を解消する。介護保険の活用もにらんでいる。障害者の自己負担は支払い能力に合わせた「応能」から、利用量に基づく「応益」にする。

 試案は12日の社会保障審議会障害者部会で示す。改革は、施設での保護中心から、地域生活や就労支援中心に転換するのが狙い。05年の介護保険改革では、身体・知的・精神の障害者も介護保険を利用できるようにすることが焦点で、新法制定はその地ならしの意味もある。

 来年の通常国会にサービス法案や、身体障害者福祉法、障害者雇用促進法など関連法の改正案を提出、5年程度かけて段階的な実施を目指す。

 現在、ホームヘルプやデイサービスなどは障害種別で分かれ、原則として相互に利用できない。このため、各法にある地域生活支援の規定を新法をつくってまとめ、相互利用できるものは共通で使えるようにする。

 このほか、地域ごとに支援の基盤を整えるため、社会福祉法人に限られている通所施設の運営を、NPO法人などにも認める。学校区単位で地域の拠点作りを進める介護保険の見直しに合わせ、市町村の実情に応じて学校の空き教室や公民館なども利用できるようにする。財政面で国や都道府県の責任を強める。

 また、住んでいる自治体で利用できるホームヘルプサービスの回数が違ったり、外出の介助が受けられなかったりするなど地域格差がある。

 それを解消するため、市町村がサービス内容を決める際の詳細な基準を設け、専門家チームが必要なサービスの内容や量を決め、進学・就労相談にも応じる総合的なケアマネジメント制度を導入する。必要な人に適切なサービスを提供することで、慢性的な予算不足に対応する狙いもある。

 サービスを利用した場合の自己負担も、応能負担から、利用量に応じて一定の負担を利用者に求め、障害児を除いて親など扶養義務者の負担はなくす。入院・入所時の食費も原則、自己負担にする。受けられるサービスが増える一方、負担も増すため、自己負担額に上限を設けるなど低所得者対策もきめ細かくする。

 障害者サービスも再編。障害の種類や入所か通所かで分けず、機能に応じて身体介護やデイサービス、グループホームなどの「生活維持の介護」、就労訓練や福祉工場などの「就労・自立支援」、移動介護や手話通訳などの「社会参加支援」に分け、補助金や報酬体系を見直す。

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 〈キーワード・障害者福祉と介護保険〉 障害者政策は種別で分かれ、03年度に始まった支援費制度も身体・知的障害者向けで、精神障害者は対象外。サービス提供も自治体の取り組みに差があり、ホームヘルプサービスを実施する市町村(3月現在)は身体が78%、知的が56%、障害児が40%、精神が53%。

 一方、介護保険改革では、被保険者を40歳以上から20歳以上程度に拡大し、障害者を含め年齢や障害・疾病の種類にかかわらず、介護サービスを受けられるようにするのが焦点。不足している障害者福祉の財源確保や、地域格差の解消が期待されている。 (2004/10/09)