2003年09月30日

空き教室活用:小学校で授産施設併設 大阪府豊中市

空き教室活用:小学校で授産施設併設 大阪府豊中市

 大阪府豊中市は市立小学校2校で空き教室を改造し、知的障害者が働く通所授産施設を併設することを決めた。11月に着工し、完成する来春、社会福祉法人に無償貸与してオープンする。学校内に授産施設を造る例は全国でもほとんどなく、福祉関係者は「障害があっても好きな町で生活できるノーマライゼーションの大切さを、子どもたちが肌で知ることができ、画期的だ」と高く評価している。
 一般に障害者の働く場所は限られ、保護者らによる運営基盤の弱い無認可の小規模作業所などが受け皿になっている。同市障害福祉課によると、市内にも23カ所の無認可作業所があり、法人が運営している授産施設はわずか2カ所だけだ。

 こうした状況の下、約10の作業所が、安定した運営を目指して新たに2法人を設立。市は、児童数の減少で生じた北丘、南丘両小学校の空き教室各5室を作業室に改造し、2法人に無償貸与する。施設では18歳以上の知的障害者計約60人が働き、弁当やクッキーなどを作る計画だ。

 同課は01年5月から、両校PTAなどにこれらの計画の説明を始めた。しかし、翌月、同府池田市の大阪教育大付属池田小で乱入殺傷事件が発生。一部の住民から、施設が学校内に出来ることに不安の声が出た。このため市は2年間かけて、障害者理解のための住民学習会や施設見学会などを開き、同意を得た。

 法人設立に参加した第四豊中障害者共同作業所の宮崎知代所長は「障害者が働く姿を子どもたちが見て、生活を知れば、交流も生まれると思う」と期待。一色貞輝市長は「障害のある人に、周りが偏見を持つことなく温かく接してほしい」と話している。【遠藤哲也】

障害者福祉に詳しい堀江まゆみ・白梅学園短大教授の話

 小学校が社会資源として、障害者をはじめ地域に暮らすさまざまな人のニーズに応えようとするとても素晴らしい取り組みだ。障害者はこれまで入所施設など地域社会とかけ離れた生活を余儀なくされてきたが、ノーマライゼーションを推し進める上でも大変意義深い。

[毎日新聞9月30日] ( 2003-09-30-15:00 )

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