2003年03月24日

虐待判決:就職あっせんした国と県など賠償命令 大津地裁

虐待判決:就職あっせんした国と県など賠償命令 大津地裁

 滋賀県五個荘町の肩パッド製造会社「サン・グループ」(既に倒産)で就業した知的障害を持つ元従業員や在職中に死亡した男性1人の遺族計18人が、「職場で虐待を受け、賃金未払いのまま劣悪な条件で働かされた」などとして、同社の元社長(56)や就職あっせんなどをした国、県に慰謝料など計約5億3600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、大津地裁であった。神吉正則裁判長は原告側の訴えを認め、国や県などに計約2億6000万円の支払いを認めた。判決は、労働基準監督署が必要な調査をしていれば、同社への是正勧告が出来たのに措置を怠った、などとして国などの違法性を認定した。原告弁護団によると、障害者の雇用を巡り国の責任を認めた判決は初めてで、雇用政策や障害者施策に大きな影響を与えそうだ。

 訴えなどによると、原告らは82~96年に同社の寮で暮らしながら勤務。原告側は、元社長は従業員に日常的に殴るけるの暴力を加え、治療を拒まれた男性が死亡した▽賃金未払いで長時間労働などを強要した▽従業員の障害基礎年金計約8100万円を横領した――などと主張。

 また、当時の公共職業安定所や県の障害者施設などがこうした実態を知りながら原告らを同社に紹介した▽家族が県の福祉事務所などに被害を伝えていたのに、労働基準監督署や県は改善などの措置をしなかった――ことなどから、労働基準法や障害者基本法などが定めた義務に違反していると訴えていた。

 元社長は97年1月、障害基礎年金計1430万円を横領した横領罪で懲役1年6月の有罪判決が確定。既に服役して出所したが、訴訟では「虐待はまったくのねつ造」と反論。国、県は「入社は本人と保護者の意思によるもので、調査義務もない」などと責任を否定していた。 【平野光芳、田中龍士】

[毎日新聞3月24日] ( 2003-03-24-13:43 )

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