1998年01月31日
<障害者虐待>福島・白河育成園が事実上廃園 園生は他施設へ
知的障害者への暴力や薬物の過剰投与が問題になっている白河育成園(福島県西郷村)は、31日付で全職員に解雇を通告し、事実上廃園となった。31人いた園生は今月半ばまでに全員が緊急保護されるなどして他施設へ移った。渡辺留二理事長は来週中にも正式に廃止届を福島県に提出するが、認可された障害者施設が廃園となるのは全国で初めて。厚生省や都道府県の福祉施設に対する指導や監査の甘さが改めて浮かび上がっている。
同園は1988年8月、無認可の「生活ホーム」として開設され、96年1月に福島県から認可された。園生の8割が東京都出身で、都内の区、市から運営費が支給されていた。ところが、昨年3月、職員の内部告発がきっかけで園生に対する暴力や薬の過剰投与が明らかになり、同県や都が相次いで監査・調査を実施した。
一方、被害者側の弁護団は現地調査を行い、渡辺理事長らを医師法違反、常習傷害などで同県警に告発。昨年末、23人の園生が退去したため運営費が得られなくなり、同園は理事会で自主解散を決議していた。
同園は改築の際、保護者から800万円ずつ寄付を強要。1000万円以上寄付した保護者もいる。また、銀行に約1億4000万円の借入金があり、理事に就任している2人の父母が連帯保証人となっている。廃園後は渡辺理事長が清算人となって、園の土地や建物を売却し借金返済に充てるが、保護者の寄付は返還されるメドが立っていない。
渡辺理事長は「県から(監査で)指摘された点をよくして行こうとした矢先のことで、廃園になるとは思ってもみなかった。きちんと後始末して解散手続きを進めるだけだ」と話している。
[毎日新聞1月31日]